ポジティブ心理学の父、マーティン・セリグマン博士の「PERMA(パーマ)モデル」ですね。
先ほどの自己効力感が「自分ならできる」という能力の源泉だったのに対し、PERMAは**「持続的な幸福(ウェルビーイング)」**を構成する5つの要素をモデル化したものです。キャリアカウンセリングにおいて、相談者が「何に満たされていないのか」や「どこを伸ばせば仕事の満足度が上がるか」を整理するのに非常に役立つ指標です。
目次
PERMAモデル:5つの構成要素
P:Positive Emotions(ポジティブ感情)
「楽しい、心地よい」と感じること。
単なる快楽だけでなく、喜び、感謝、安らぎ、希望、興味、誇りなどが含まれます。
- キャリアの視点: 仕事の中に楽しみや、やりがいを感じる瞬間があるか?
E:Engagement(エンゲージメント)
「没頭・夢中」になること。
時間が経つのを忘れるほど何かに集中している状態、いわゆる「フロー状態」です。
- キャリアの視点: 自分の強みを活かし、無我夢中で取り組める業務があるか?
R:Relationships(関係性)
「他者とのポジティブな繋がり」があること。
人間は社会的動物であり、誰かを助け、誰かに助けられる関係が幸福に不可欠です。
- キャリアの視点: 職場に信頼できる同僚や、互いに高め合えるチームがあるか?
M:Meaning(意味・意義)
「自分より大きなものへの貢献、人生の目的」を感じること。
自分の仕事が社会や誰かの役に立っているという実感です。
- キャリアの視点: 「なぜこの仕事をしているのか」という大義名分や社会的意義を感じられているか?
A:Accomplishment(達成・完遂)
「何かを成し遂げること、マスターすること」です。
結果としての成功だけでなく、目標に向かって努力するプロセスそのものも含まれます。
- キャリアの視点: 明確な目標があり、それを達成した時の有能感を得られているか?
PERMAを整理するチェックリスト
相談者(またはご自身)の現状を把握するために、以下の表のようにスコアリングしてみるのも一つの手です。
| 要素 | 問いかけの例 |
| P (感情) | 最近、仕事でワクワクしたり笑ったりしましたか? |
| E (没頭) | 集中して「あっという間に時間が過ぎた」仕事はありますか? |
| R (関係) | 職場で本音を話せる人や、支え合える人はいますか? |
| M (意義) | 自分の仕事が「誰のどんな役に立っている」と実感しますか? |
| A (達成) | 小さなことでも「やり遂げた!」と思える瞬間はありますか? |
活用ポイント
このモデルの面白いところは、**「5つ全部が満点である必要はない」**という点です。人によって「私はR(関係性)が大事」という人もいれば、「とにかくA(達成)が欲しい」という人もいます。
更新研修の文脈では、**「相談者の幸福の重心がどこにあるか」**を見極めるツールとして紹介されることが多いはずです。