3D モデル .glb をWebで公開する
3Dモデルの .glb ファイルをWebで公開するには、いくつかの方法があります。主な方法と、それぞれのメリット・デメリット、手順を解説します。
主な公開方法
<model-viewer>
を利用する- 概要: Googleが開発・公開しているWeb Componentsです。HTMLに数行のコードを追加するだけで、インタラクティブな3Dモデル表示を簡単に実装できます。
- メリット:
- 非常に簡単に実装できる
- インタラクティブな操作(ドラッグでの回転、ズームなど)が標準で利用可能
- AR(拡張現実)表示に対応(対応デバイスのみ)
- 軽量で高速
- 様々なオプションでカスタマイズ可能
- デメリット:
- 高度なカスタマイズにはJavaScriptの知識が必要になる場合がある
- 手順:
<head>
タグ内に<model-viewer>
のスクリプトを読み込むための CDN (Content Delivery Network) のリンクを追加します。 HTML<script type="module" src="https://unpkg.com/@google/model-viewer/dist/model-viewer.min.js"></script>
<body>
タグ内に<model-viewer>
要素を追加し、src
属性に .glb ファイルのパスを指定します。 HTML<model-viewer src="path/to/your/model.glb" alt="A 3D model"></model-viewer>
- 必要に応じて、
<model-viewer>
要素に様々な属性を追加して表示をカスタマイズします。(例:auto-rotate
,camera-controls
,shadow-intensity
など) HTML<model-viewer src="path/to/your/model.glb" alt="A 3D model" auto-rotate camera-controls shadow-intensity="1"></model-viewer>
- Three.js などのJavaScriptライブラリを利用する
- 概要: WebGL (Web Graphics Library) を扱うための強力なJavaScriptライブラリです。より高度な表現やインタラクションを実装できます。
- メリット:
- 非常に柔軟性が高く、高度なカスタマイズが可能
- アニメーション、ライティング、マテリアルなどを細かく制御できる
- 様々なエフェクトや機能を追加できる
- デメリット:
<model-viewer>
に比べて実装にJavaScriptの知識が必要- 初期設定や基本的な表示だけでもコード量が多くなる傾向がある
- 手順:
- HTMLファイルに Three.js のライブラリを読み込むための
<script>
タグを追加します。(CDNやnpmなどでインストール)
- HTMLファイルに Three.js のライブラリを読み込むための
<script src=”https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/three.js/r128/three.min.js”></script>
<script src=”https://cdnjs.cloudflare1.com/ajax/libs/three.js/r128/loaders/GLTFLoader.js”></script>
“`
2. JavaScriptファイルを作成し、Three.js を使ってシーン、カメラ、レンダラーなどを設定します。
3. GLTFLoader を使って .glb ファイルを読み込み、シーンに追加します。
4. アニメーションループを作成し、レンダリングを行います。
5. HTMLにレンダリング結果を表示するための <canvas> 要素を追加します。
- オンラインの3Dモデル共有プラットフォームを利用する
- 概要: Sketchfab, Clara.io などのプラットフォームに .glb ファイルをアップロードし、提供される埋め込みコードを利用してWebサイトに表示します。
- メリット:
- 手軽に公開できる
- ビューワーが用意されているため、技術的な知識はほとんど不要
- 他のユーザーとモデルを共有したり、公開したりできる
- プラットフォームによっては、モデルの販売も可能
- デメリット:
- プラットフォームの利用規約や料金体系に従う必要がある
- デザインや機能のカスタマイズの自由度は低い場合がある
- プラットフォームのサービス終了リスクがある
- 手順:
- 利用したい3Dモデル共有プラットフォームに登録します。
- .glb ファイルをプラットフォームにアップロードします。
- プラットフォームが提供する埋め込みコード(通常は
<iframe>
タグ)をWebサイトの表示したい場所にコピー&ペーストします。
.glb ファイルの準備
- .glb ファイルは、テクスチャやアニメーションなどの情報が1つのファイルにまとめられた形式です。
- モデリングソフト(Blender, Maya, 3ds Max など)で作成・エクスポートするか、オンラインの変換ツールなどを利用して作成します。
- ファイルサイズが大きいとWebページの読み込みに時間がかかるため、可能な限り最適化(ポリゴン数の削減、テクスチャの圧縮など)を行うことを推奨します。
Webサイトへの配置
- 作成したHTMLファイルや関連するファイル(JavaScriptファイル、必要に応じてCSSファイルなど)をWebサーバーにアップロードすることで、インターネット上で公開されます。
- レンタルサーバーやVPS、クラウドストレージの静的ウェブサイトホスティング機能などを利用できます。
どの方法を選ぶべきか?
- 手軽にインタラクティブな3Dモデルを表示したい場合:
<model-viewer>
が最も簡単でおすすめです。 - 高度な表現やカスタマイズを行いたい場合: Three.js などのJavaScriptライブラリの利用を検討してください。
- 技術的な知識があまりなく、すぐに公開したい場合や、他のユーザーと共有したい場合: オンラインの3Dモデル共有プラットフォームが便利です。
ご自身のスキルレベル、必要な機能、公開の目的に合わせて最適な方法を選択してください。